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「国産材はなぜ売れなかったのか」「伐採ひとすじ現場の流儀」

今回の2冊も「本物大好き」さん・「無垢フローリング」の木魂さんのブログで興味を持って、読んだ本です。


■「国産材はなぜ売れなかったのか」荻 大陸 著
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要は、木材の品質管理ができていなかった国産材は、消費側の要望に合致せず、売れなかった。

品質の悪さというより、商売とは言えない商売がまかり通っていたのが不思議です。
今の建て主さんが、この本に記載の過去の木材流通における非道い商習慣を読んだら、”ありえない!”と腰を抜かすでしょう。
にじのぱぱは、「アンコ」は他の本で知っていましたが、他にも想像を絶する商売に唖然としてしまいました。
全く身勝手な、顧客を顧客と思わない木材の売り方でした。
大工さんが木材を1つ1つ吟味して、使えない材をはねていた。という他の本での記述に納得しました。

 「アンコ」  :ひとまとまりの木材の、外からわかりにくい中程に粗悪品を混ぜる。
 「空気売り」 :小丸太(細い丸太)を利用して、角に未だ木の皮がのこる丸身のある木材により、角の無い空気の分も勘定に入れて売る。
 「歩切れ」  :製材品の量目が不足していながら、売ること。
 「バクダン」 :未乾燥あるいは乾燥不足のまま束ね(初めから曲がっている材を含ませたのかもしれないが)ている結束をはずすと、曲がり材が元のとおり曲がり、弾け飛ぶこと。

昭和40年くらいまでは、小丸太(径3~9cm)の方がそれより太い丸太より、高い値段で取引されていたデータで、「空気売り」の根拠を示しています。

昭和40年以降は、品質がよいわけではないが、径30cm以上の太い丸太の外材により、四隅が角で丸みのない材が流通し、「空気売り」は減少しつつも昭和55年くらいまでは残っていたとのこと。

本書は、データを示して木材流通の変遷を描いています。
・外材は、原材料から製品の輸入に変わる。
・国産材は、”東濃檜”のように、一定の品質を保つメーカー同士でのブランド(産地はまちまち)。
・国産材(檜)は、和室の造作用など特定の用途のための「役物」で生き残るも、和室の減少で低迷する。
・1980年代までは、乾燥への意識が薄く、未乾燥材(グリーン材)を挽き、出荷までに間があると、曲がりや狂いを修正するために「二度挽き」することがあった。
・プレカット工場からの木材への要求に応えるために、安定した性質の集成材が増加する。
・阪神淡路大震災後は、無垢材<集成材 の価値観が現れた(大手ハウスメーカー中心)。
・集成材の需要が増すのは、ハウスメーカーのトータルコスト(無垢材はクレームが発生しやすい)からとのこと。
・外材は、北米から欧州の高品質(メートル法かつ、乾燥材)のものに変わる。
・平成10年頃から、内装に無垢板を使う傾向が目立ち始めた。
・国産材へ回帰する動きが見られる。
・マンションのリノベーションで無垢板を使う例が増加。
・木材の価値序列体系は、従来の四面無節の柱から、例えば節有り杉板が好まれる傾向→内装材。
・総理府の世論調査では、8割が木材の住宅を希望しているので、アパート・マンションに住む人は、潜在的な内装の木質化需用者。→板の大きな潜在需要。
・柱は木造軸組工法の範囲内での需要だが、板は工法を問わず海外市場も考えられる。また住宅以外の学校・店舗などにも需要がある。→<角材から板の時代>
・マンションリノベーションは、原木の寸法を2m標準にした。→エレベーターに乗せられる長さ。
 従来の3m、4mはそれぞれ、1mと2m、2m2つに切らざるを得ないそうだ。

※にじのぱぱの発見
 節の埋木のコマは、1個5~10円する高価な物だそうです。
 節有り無垢フローリングの、節を埋めているコマは高いのだそう。


■「伐採ひとすじ現場の流儀」泉 忠義 著
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熊本県の林業の会社社長の本です。
良い会社には、情報と良い人が集まることを再認識しました。
良い循環で会社が発展する様子が分かりました。

注目した点
・自分だったら買うか、買わないかの気持ちで、商品として採材する。
・「葉枯らし」は、山で軽くしてから運搬するメリットもあり、行っている。
・次世代のための循環型林業を定着させたい。

できれば
・林業用の重機の実物を知らないと、想像にも限界があるので、
 図解か写真を巻末にまとめて掲載して頂ければ、林業関係者以外の理解が増します。
 例えば119ページに、
 ”チェーンソー → グラップル・スイングヤーダ → プロセッサ → フォワーダ
 とありますが、絵や写真が欲しいです。
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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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・そもそも、あたりまえのこと
 を考えながら書いてゆきます。

さんじのぱぱ

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