<中東>の考え方

・遠い
・地図上の位置(国や首都)が分からない
・宗教、宗派・主義をたくさん聞くがよくわからない
・歴史が長く国の成り立ちが複雑そう
・なぜか紛争が絶えない
・砂漠、石油採掘
・ドバイのバブル
中東に関するニュースや本を見聞きするたびに、そのときは知ったつもりになりますが、
すぐに忘れて分からなくなってしまいます。にじのぱぱは。
性懲りもなく、中東の本を買って読みました。
<中東>の考え方 の著者 酒井啓子さんを知ったのは、
1991年の湾岸戦争でテレビで解説をされていたときかもしれません。
中東紛争の解説が明快で現地の事情をふまえた上での話で、上辺だけの評論ではない新鮮な言葉が印象的だったのを覚えているからです。
この本の凄いところの1つは、出版社の都合で出版を断られそうな事態に陥りながら、出版にこぎ着けたことです。
本書の122ページでは、なぜ米政権は国益にそぐわないのにイスラエルを支援し続けるのかと疑問を呈します。
イスラエル・ロビーが政策を誘導しているからとのことです。
123ページでは、どのようにしてイスラエル・ロビーは米国の政策決定に大きな影響を及ぼしているのか?
これについては、本書を読んでくださいと書かれ、123ページにまとめた記載はありません。
代わりに、米国でのイスラエル批判の難しさは、この本自体の出版を出版社に何度も断られるなど様々な障害があったことが象徴している。と書いています。
踏み込むと危険な部分の実在を感じました。
にじのぱぱの読書日記は、読んでいるときにボールペンでマークした箇所をざっと見て、
これは書かねばと思う箇所を拾い出して付箋を付け、
ブログに納まり、書きすぎないような範囲で書いています。
今回は最初の写真のように、付箋だらけで収拾がつかないので
1つだけ9ページから拾います。
2010年のアカデミー賞を総なめにしたキャサリン・ビグロー監督「ハート・ロッカー」や
2007年のブライアン・デ・パルマ監督「リダクテッド」などのアメリカ映画は
戦後のイラクに駐留する米兵の内面(理解不能な中東の人々に途方に暮れる)を描いて
話題を呼んだそうですが、
そもそも、イラク人の生活や考えていることがびっくりするほど出てこない。と著者は書いています。
また、イラクで起きていることは、イラクの人たちを主人公に描かない限り、理解できないのではないだろうか。
中東が「わかりにくい」と思われてしまう原因は、中東で生きる人々を主人公にして考えないことにある。
と書いています。
にじのぱぱの中東のイメージのうち、そこに生活している人々の映像で思い出すのは、
イランの映画監督アッバス・キアロスタミの作品「友だちのうちはどこ?」で、
石造りの住宅の中の迷路のような小路を走ってゆく白シャツにチョッキの少年と、そこに暮らしている人々の様子です。
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