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学問のすすめ

現代語訳 学問のすすめ 福澤諭吉著 齋藤孝訳
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 現代語訳を読んでいるうちに、この現代語の表現は原文では何と書いているのだろうと興味を持つことがたびたび有り、岩波文庫(青102-3)をめくり、なるほどわかりやすい訳だと感じました。

 この現代語訳版で感心したのは、明治5年から9年にかけて出版された全17編の分冊(明治13年に合本出版)に、今の人が興味を引くタイトルを付けていることです。

初編 学問には目的がある
2編 人間に権理とは何か
3編 愛国心のあり方
4編 国民の気風が国を作る
5編 国をリードする人材とは
6編 文明社会と法の精神
7編 国民の二つの役目
8編 男女間の不合理、親子間の不条理
9編 よりレベルの高い学問
10編 学問にかかる期待
11編 美しいタテマエに潜む害悪
12編 品格を高める
13編 怨望は最大の悪徳
14編 人生設計の技術
15編 判断力の鍛え方
16編 正しい実行力をつける
17編 人望と人付き合い

 こうして17のタイトルをながめていると、「学問のすすめ」という合本の書名からは想像できない内容の広さです。

 さんじのぱぱは、学生の頃「学問のすすめ」という書名から、「すすめられなくとも学問をします」と勘違いをして意地をはり、今まで読まずにいたことを、現代語訳を読んで後悔しました。
 学問をしましょうというお誘いのような軽さではないのです。明治初めの当時、前の時代から続く悪習がはびこる世の中にあって、西洋・日本の区別無く良し悪しの判断をするためには、さまざまな学問(実学)が必要で、これにより個人が独立の気概を持ち、以て国が立派に独立して、ようやく外国と渡り合えるというのです。必死なのです。
 これを学生の時に知っておきたかった。読んだ後の志の抱き方が違っていただろうというのが後悔です。
 でも、知らないでいるよりは、今さらでも、分かって良かったです。

(感想)
・気の利いた比喩が数多く、分かってもらおうとする熱意が伝わる。
・人に任せて頼り、自分で責任を引き受けないお客さん(客分)ばかりでは国が成り立たないというが、もっともだと思う。
・孔子の話でも当時の時代状況をよく考えて良し悪しを判断すべきとはっきり書いているところが良い。
・さんじのぱぱはよく知りもせず”脱亜”のイメージを持っていたが、西欧/日本の区別なく、良く見極めて良し悪しを判断することが書いてある。
 例えば、15編から原文で
  ”西洋の文明は我が国の右に出ること必ず数等ならんと雖も、決して文明の十全なるものに非ず。その欠典(点)を計うれば枚挙に遑(いとま)あらず。彼の風俗悉く美にして信ずべきに非ず、我の習慣悉く醜にして疑うべきに非ず。”
 というように、西洋にも日本にも良いところ悪いところがあるものと書いている。
・13編の、怨望(ねたみうらみ)は最悪だとのこと。この指摘に改めて我が身を反省します。
・読んで大事だと感じ入った言葉
  →独立の気概
  →人望:17編から原文で引用。
      されば、人望は固(もと)より力量に由(よ)って得べきものに非ず、また身代の富豪なるのみによって得べきものにも非ず、ただその人の活溌なる才智の働きと正直なる本心の徳義とをもって次第に積んで得べきものなり。
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ジャンル : 本・雑誌

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