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「祖にして野だが卑では無い」石田禮助の生涯

「祖にして野だが卑では無い」石田禮助の生涯 城山三郎著 文春文庫
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元三井物産常務取締役で、第五代国鉄総裁の痛快なお話し。

10年近く前だったか、地下鉄大手町駅から三井物産ビルへ向かう地下道に
歴代の社長・役員だったかのエピソードが一人一区画で広報部によって掲示されていた。
「人の三井」をアピールするためだったと思われる。
その中で、さんじのぱぱが一番気になっていたのが
この「祖にして野だが卑ではない」の石田禮助だった。

久しぶりに城山三郎の文章を読んだ。
人間くささをあぶり出すおもしろさ。


■読書メモ (印象的なフレーズ)
1)(予算要求にあたって)「要るものは要る。それを獲るんだ」

2)専売公社職員と変わらぬ国鉄職員給与について
 「運転士なんかの仕事を見てごらんなさい。夜中弁当を提げて、そして夜と昼間と間違えてやっておるような仕事だ。これを全然、無差別悪平等式の取り扱いをするというところが人を使う道として間違っている。これは私は国鉄総裁の責任において是非とも是正せにゃならぬ問題だと考えている」
  この発言は一例だが、石田さんは労使関係を超えて、職員の気持ちをつかんだ。と当時の局長が述懐している。

3)高崎線深谷駅の急行停車の件(昭和41年9月12日参議院運輸委員会)
  深谷は運輸大臣荒船清十郎の選挙区でもある。
  社会党瀬谷英行議員の厳しい質問に対し、
  石田禮助の答弁
  「今までいろいろご希望があったのだが、それを拒絶した手前、一つぐらいは良かろうと言うことで、これは私は、心底から言えば武士の情けというわけです。これはどうも国鉄の犠牲においてそういうことをやったと言うことは私の不徳の致すところだと思いますが...」
  後年、石田は速記録を読み返し語った「私も少々うろたえていて、いま自分で読んでも何を言っているか分からないですよ。いかにして荒船氏には科(とが)が行かないで、私自身が責任を持つかと言うことで、ずいぶん無理な弁護をしたもんですよ」

4)運転士二人常務制の廃止による合理化
  野党から「二つの目より四つの目で見ていた方が、いいのではないか」と批判され、
  石田は「四つになったり六つになったら、みんな他力本願で、ろくなことはありゃせん。四つも必要はない、二つでたくさんなんだ。目の数じゃない。目の後ろについている精神だ。それが活躍している以上は目は一つでいいんだが、せっかく神様が二つ付けてくれたんだから、二つにしたんだ」

5)合理化を巡って組合との交渉にあたり
  「愛情は持っているけれど、金はないんだ」
  「組合を追いつめてはいかん。交渉事だから、片一方、道を必ず開けておけ」

6)順法闘争については、この上なく「卑」なる戦術に、石田には思えた。

7)日本人に欠けているのはパブリックの観念。
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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

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